元看護師がWeb制作をする理由|現場で見た「伝わらない」の損失

「なぜ看護師からWebデザイナーに?」とよく聞かれます。畑違いに見えるかもしれませんが、僕の中ではまっすぐ地続きです。病棟で8年やってきたことと、いま医療・治療院・介護のサイトを作っていることは、同じ一本の線でつながっています。この記事では、その理由を正直に書きます。

病棟で毎日していたのは「翻訳」だった

急性期・慢性期の病棟で、看護師として8年間働いてきました。振り返ると、仕事の多くは「複雑な情報を、相手がわかる形に整理して伝える」ことでした。医師の説明を患者さんの言葉に置きかえる。検査や処置の意味を、不安が和らぐように伝える。スタッフ間で申し送りをして、抜けなく引き継ぐ。

医療の現場は、情報の密度がとても高い場所です。そのままでは伝わらない情報を、相手の理解度と気持ちに合わせて「翻訳」する。それが日々の仕事の中心でした。

「伝わらない」が患者さんを遠ざける瞬間

現場にいると、伝え方ひとつで人の行動が変わる場面を何度も見ます。同じ内容でも、伝え方が硬いと「よくわからないから、やめておこう」となり、噛みくだいて伝えると「それなら受けてみます」に変わる。

これは来院前のことにも当てはまります。患者さんは、行ったことのない院やクリニックを、まずWebサイトで判断します。何をしてくれるのか、自分の症状に合うのか、怖くないか。そこが伝わらなければ、その人は不安を抱えたまま、別のところを探すか、受診そのものをやめてしまう。「伝わらない」は、そのまま取りこぼしになります。

Webサイトは、来院前のいちばん最初の説明

僕にとってWebサイトは、患者さんに会う前の「最初の説明」です。病棟でやっていた翻訳を、画面の上でやっているだけ。専門的なサービスほど、伝え方で「行ってみよう」にも「よくわからない」にも転びます。だからこそ、きれいなだけのサイトではなく、相手の不安に先回りして答えるサイトを作りたいと思っています。

現場を知っていると、患者さんがどこでつまずき、何を不安に思うかが手に取るようにわかります。院の中で何が起きているか、スタッフが何に困るかも。その解像度が、そのまま構成や言葉づかいの設計に活きます。

だから、医療・治療院・介護のWebに絞った

Web制作は、どんな業種でもできます。それでも僕が医療・治療院・介護に絞っているのは、ここが「説明がむずかしい」分野だからです。専門性が高く、患者さんの不安も大きい。だからこそ、現場を知っている人間が作る価値が一番出ます。「幅広く何でも作れます」より、「この分野なら誰よりわかっています」のほうが、頼む側も安心できるはずだと考えています。

作るときに、一貫して大事にしていること

自分の色を押しつけることではなく、その院の患者さんに一番届く形を優先すること。専門用語を、患者さんの言葉に翻訳すること。「予約する」「相談する」までの導線を、迷わせないこと。そしてデザインからコーディング、公開後の運用まで、一人で一貫して責任を持つこと。派手さより、伝わって、行動につながることを大切にしています。

おわりに

看護師の仕事もWeb制作も、根っこは「複雑なことを、相手のためにわかりやすく届ける」ことだと思っています。もしあなたが医療・治療院・介護に関わっていて、「うちのサイト、ちゃんと伝わっているだろうか」と感じているなら、一度お話しできればうれしいです。現場を知っている人間の視点で、伝わるサイトを一緒に作れます。

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